中古区分ファミリー区分投資とは、サラリーマンが住宅ローンで買うようなファミリー区分を、投資用に買い、賃貸にだす投資です。(投資用に買う場合は住宅ローンは使えないので、事業用ローンを借りるか、現金での投資になります)
この投資方法は、他の投資方法(中古戸建てや中古一棟アパートなど)と異なり、面白い特徴があります。
それは何かというと、賃貸に出しているキャッシュフローはちょっと少なめになる傾向があるが、売却時に売却益を一気に利益をだせる傾向がある点です。(個人投資家だけでなく上場企業も、この投資方法をおこなっています。例:スター・マイカ・ホールディングス株式会社)
今回は、中古区分ファミリー投資について、詳しくみていきましょう!
Contents
なぜ中古ファミリー区分で売却益がでるのか?

中古区分ファミリー区分投資の最大の特徴は、「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」が「空室物件」より安く売られる傾向があるためです。
なぜかというと、会社員が住宅ローンを使って自宅として中古区分ファミリー区分を購入する場合、「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」は購入はできず、購入するのは投資家のみでだからです。
このため、中古区分ファミリー区分の「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」は、利回りベース(例えば7%とか)で購入価格が決まるケースが多いです。そうなると、会社員が自宅として購入する「空室物件」より、価格を下げないと投資家が求める利回りがでず、結果として「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」のほうが安くなる傾向があります。
このため、まずは「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」を購入し、空室になるのを家賃をもらいながら待ち、退去で空室になったら、リフォームをかけたうえで、「空室物件」価格でうりだせば、まとまった売却益がでる場合が多いです。
具体例
年間家賃140万(修繕積立・管理費年間24万円)の「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」を2000万で現金で購入。
購入後5年で退去。
退去のタイミングで、リフォーム200万円。相場の2700万円で売却できたとします。
経費計算
修繕積立・管理費年間30万円 × 5年 = 150万
リフォーム:200万
その他:80万
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経費合計:430万
利益計算
売却益:2700 – 2000万 = 700万
家賃合計額:140万×5年 = 700万
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収入合計:1400万
なので、トータル利益概算は収入1400万円 – 経費430万円 = 970万円となります。
中古ファミリー区分の価格帯
中古区分ファミリータイプの投資は、数百万~3000万円の価格帯が中心です。
中古区分ワンルームタイプや中古戸建よりは価格帯があがります。
構造・築年数
構造はRCのものが中心で、一部鉄骨造もまじっており、耐用年数内の築10-40年のものが多数流通しています。
中古ファミリー区分のメリット・デメリット
中古ファミリー区分のメリット
- 「オーナーチェンジ物件(賃貸中物件)」と「空室物件」の価格差があり、売却益が狙いやすい傾向があります。
- 中古戸建てよりは駅近の好立地にある物件が多いので、空室リスクは比較的低い傾向があります。
- 建物の耐用年数が長いRC(47年)や鉄骨(34年)内の物件を購入することになります。金融機関は耐用年数を超えた物件にたいしては、なかなか、融資してくれない傾向があるので、その点では、中古区分ファミリー物件は融資の土台にのる可能性が高いです。
- 1棟投資よりは失敗したときのダメージを抑えれる傾向があります。
中古ファミリー区分のデメリット
- キャッシュフローがでやすい物件は中古戸建や1棟物件に比べると、流通量としては少ない傾向があります。背景としては、投資家でない一般の住宅ローンを使うサラリーマン用の実需価格に近い価格になる傾向があり、基本的に投資利回りを無視した価格で流通するケースが多く、結果として、利回りが15%とかの高利回り物件はほとんどみかけません。
- 基本的には管理組合が存在するケースが多く、修繕積立金や管理費を必ず、月次で支払う必要があります。ファミリー区分の場合は、その合計額が2万円以上になるケースもあります。(この固定費支払が必要な点もキャッシュフローがでにくい要因の一つです)
- 中古戸建てや1棟物件と異なり、建物全体や共用部の修繕や管理は、他の区分所有者と協議したり多数決をとったり、してきめていくことになります(通常は定期的に開催される理事会にて決めることになります)
- 1回の取引で1戸しか取得できないので、規模のメリットを享受しにくいです。1回の不動産取引にかかる手間は、区分物件も、1棟物件もたいして、かわりません。このため、かける手間に比べて、得られる利益が一棟物件に比べて少ないです。
中古区分ファミリーマンションの物件探し方
基本的には、一般の中古ファミリー区分を扱っているポータルサイトで探すことになります。
①ポータルサイト(at home、不動産ジャパン、SUUMO etc)、不動産仲介業者のHPで探す
注意点としては、この投資方法は、オーナーチェンジ物件を狙う投資方法なので、検索する際に、オーナーチェンジにチェックをつけおきましょう。
アットホームでオーナーチェンジのファミリー区分マンションを探す例
アットホームの「オーナーチェンジマンション」という箇所から探すと、オーナーチェンジのファミリー区分を探しやすいです。

不動産ジャパンでオーナーチェンジのファミリー中古区分マンションを検索するときの例
不動産ジャパンでオーナーチェンのファミリー中古区分マンションを探すときは、オーナーチェンジチェックをつけて検索しましょう。

②その他
その他の探し方としては、不動産仲介業者からの紹介をお願いするなどがあげられます。
もしくは、「競売・公売に入札する」があげられますが、こちらは難易度が高いので、ある程度、不動産や法的な知識があり、経験つんだ方でないと難しいです。
中古ファミリー区分の融資
耐用年数内の建物の投資になるので、融資の土台にはのっています。
あとは、地元の信金、地銀などを開拓する必要があります。
中古ファミリー区分の運営
中古ファミリー区分投資の場合は、管理会社にまかせなくても、自主管理でも大丈夫です。
戸数も少ないので、十分対応可能なケースが多いです。(また自主管理すると、トラブル対応能力があがるという副次的なメリットもあります)
まとめ
中古ファミリー区分投資は、売却益(キャピタルゲイン)が狙いやすく、他の投資とは異なった魅力のある投資です。
一方で、利回りが他の投資よりは少し下がる傾向があり、キャッシュフロー(インカムゲイン)は、他の不動産投資よりは少なめになる傾向があります。
何はともあれ、安定感は高めの投資方法なので、取り組んでみるのも面白いと思います!