経験豊富な宅建業者と、宅建の知識もない初心者の不動産投資家を比較すると、その知識量は雲泥の差があります。
今回は、その知識の差から、明らかに不利な売買契約書を締結してしまった結果、本来であれば、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を追及できたところを、できなかった事例を紹介します。
Contents
購入者
高属性サラリーマン投資家Xさん(投資はじめて1年弱)
購入物件
購入物件は、都内好立地の戸建てになります(ただし間口が2m未満で再建築不可 / 再建築するには隣地から土地を購入する必要あり)。
☆物件詳細
売買契約の条件

今回の取引は、土地として売買(建物は明示的には売買対象外であくまで付属物という扱い)になります。
この条件をみて、どこが問題なのでしょうか。
具体的にみていましょう。
問題1:売買契約書の条件が不利
失敗ポイント
今回の売買条件はあくまで、建物が建っているにもかかわらず、土地としての売買という立て付けになっています。
これは売主の宅建業者にとってはかなり有利で、買主にとっても極めて不利です。
さらに運悪く、購入して1か月以内、雨漏りがみつかったのですが、本来であれば、売主責任を追求できるところが、自費での修繕せざるをえない状況になったとのことです。
これは正直、売主の宅建業者のほうが圧倒的に有利な契約内容だと思います(上場企業の大手仲介なら、こういった契約にはしないことが多いと思います)。しかし、不動産投資にあたり、売買で関わる不動産業者は大手から小規模の不動産屋まで、様々です。このあたりは自らが、宅建業法をある程度勉強しておいて、知識武装しておかないと、うまいことやられてしまう可能性があるので、気を付けましょう。
教訓
対策としては、知識が少ない状態で、小さい不動産屋と売買契約むすぶときは、事前に売買契約書を契約前にもらっておき、かつ、自分でまずしっかり読みこみ疑問点はネットなどで調べて不利な契約になっていないか確認しましょう。できれば、先輩大家など第3者にチェックしてもらえるとよいと思います。
もしくは、宅建士の資格試験のうち、「宅建業法(不動産取引に関する法律)に関する箇所」は、資格をとる・とらない関係なく、勉強しておくと自衛になると思います。
問題2:買値価格が高い

失敗ポイント
シンプルに再建築不可かつ手間のかかるシェアハウス前提なのに、利回りが低いです。
教訓
不動産の相場をしっかり把握してから、購入しましょう。
このためシェアハウスの場合は、一般のアパートよりは利回りを高めに設定すべきです。
また、今回は融資使わずの現金買付で、売主からしたら、かなり有難い取引条件です。これをもとに、価格交渉もできた可能性があります。
まとめ
今回の場合は、購入者Xさんは、高属性サラリーマンの方で、かつ、賃貸需要自体は全く問題のないエリアかつ現金購入のため、地道に運営していくことにより、不労所得は得られるし、これによりキャッシュは積み重ねっていくので、購入時の失敗はとりかえせます。
ただ、無駄に不利な売買契約を結んだり、高値で物件を購入してしまうと、人によってはかなり大きな打撃になるケースもあります。
あとは不動産知識アップと相場リサーチをやっていくことにより、高値づかみは回避していきたいところですね。
なお、私自身も高値掴みして失敗した経験があります(^^;
こちらも、あわせて、読んで同じような失敗を回避してもらえると、嬉しいです(^^/